ハセガワ1/72 F-16シリーズといえば定番キットでバリエーションも意外と豊富な良キットである。なんてったってあの出来映えで安くてどこでも手に入る!
定番のCJ型(Block50)はそれ以前の各形式へのコンバートが箱の中の部品だけでほぼ完結するという素敵キットだ。替えのデカールの話はするな。
とはいえ弱点はあるもので、いくつかC型以降を作るに当たってディテールの足りないところはある。
そこに対する基本的な工作を備忘録代わりにまとめるものとする。
これは他のサイトでもさんざん言及されていることであるが、ハセガワの1/72 F-16は
「共通の機体上面パーツがA/B型仕様」というのがある。
ハセガワはA型系もバンバン売るので(垂直尾翼もちゃんと起こしてある)会社的にはこれでいいかもしれない。
モデラー的には……どーなんでしょうねぇ。わたしゃそんなに嫌いでないけど。
で、基本的な工作は以下の3点に絞られ、そこに各形式へのコンバートが加わって4つのポイントが出てくる。これを簡単に解説する。
①バルカン砲スリット修正
画像はついった投稿分の使い回しだが、概ね言いたいことはこれで完結する。
A/B型の砲口前後に4本ずつスリットがあるタイプから後ろに斜めスリット2本に彫り直すだけである。
前述した金型の都合もあろうが、ぶっちゃけC型→A型と彫り直すよりはよっぽど簡単である。よく言及されているのを見る工作なので、見る人にとってはとっても目立つ部分であることは留意したい。
ちなみに1/48ではちゃっかり再現されているのであしからず。
でもF-2みたいに中のバルカン砲口パーツ再現しないのナンデナンデ
念のため加工前後の比較図も置いておく。
②後部パネルライン追加
上の画像には書いてないが、前列の青線パネルとの距離は2mmほどで想定している。
これは適当にやっているので信じすぎないように。
さて、このパネルはF-16C(Block25)から追加されたのでA型にないのは当然である……
が、何故か1/48にもないしドイツレベルなどの他社にもないし作例で個々の追加工作を指示しているのをそういえば見たことが無い。
言うまでもない話か、まさかみんなスルーしているのか。
ちなみにボックスアートにもガッツリ書かれているがやっぱりみんな無視している。
例外はタミヤだが、アレは最初からCJ型(Block50)で金型作ってるのである意味ノーカンである。他形式にコンバートもできないからね。
無くても誰も気にしないといわれれば確かにそうだけど、やっぱ気になる……
③放電ストリップ追加(F-16全形式共通工作)
小スケールでは殊更に無視されがちなライトニングストリップの追加である。
くどいようだがこれはF-16全形式共通なのでA/B型でもこれは行ってよい。
写真の例では掃除用ブラシのぶっとい毛を移植したのでやたら目立つ。スケール感的には全く良くないが、習作代わりと思ってこのままにしておく。
使えるなら新しめの歯ブラシの毛(細目)が一番いいかもしれない。
ちなみにドイツレベルではなぜかこれをプラ部品と一体成型しており、ありがたい反面扱いがセンシティブになるので悩みどころである。タミヤCJ型ですらしなかった蛮行やぞこれ。
④ハセガワCJ型から各形式へのコンバートについて
これもついった投稿分の使い回しで、図の通りでしか言う事はない。
しいて言うならエンジンノズルの話とかラージタイヤの話とか新型インテイクとかCJ型のキットには肝心のAN/ALQ-184が付属してねえんだよバカヤロウ!!とか色々とある気もするが、それ以上はF-16の形式解説になるのでめんどいから物の本を読んで把握してほしい。
リンクは貼っておく。
F100-PW-220の旧ノズルに関して胡乱なことが書いてあるが、よく知っている方は気づくだろう。「ハセガワA型もB9指定じゃないの?」って。
それは全くその通りなんだが、ハセガワの「気にするな!」という力強い回答であるかもしれないので気にならない方はそっとしておこう。どうせ実機の旧ノズル部品もその内枯渇するだろうし。
ちなみにドイツレベルのノズル(A34パーツ)はハセガワにピッタリ合うので気が楽である。
パーツをコンバートするために買う、という人は是非とも当該パーツが余剰扱いになる”C型”を買って欲しい。
”Mlu”ではA34は使用パーツに指定されているので要注意だ。
質疑応答
Q:Block25以前を作るに当たってF100-PW-220の旧ノズルを必要分調達する必要がありますが、ドイツレベルC型そんなに転がってないです。財布にも厳しい。
A:そこにCADソフトと3Dプリンタがあるじゃろ?(テンプレ)
いや一応自作も考えてるけどこれ絶対そんな需要ないよ……
Q:面倒ですこの工作。
A:じゃあやらなくていいんじゃないかな。それかタミヤCJ作ってね。
Q:吊るし物とかパイロンの話はしないの?
A:あたまがおかしくなって死ぬので今回は必要以外しません。詳しい人誰か頼む。
Q:定番箱のF-16Iから50/52Advanced以降のCFT搭載型へのコンバート解説はどうしたんですか?
A:資料買ってないので気が向いたらまた別途やるかもしれません。
Q:こんなの書いてる暇があるってことは進捗ダメなんですね?
A:
(質疑応答ここまで)
長々と書いたが、やってることはそんなに難しいことじゃあない。
元のF-16が簡単に済ませているから模型でも簡単に済むという寸法である。ありがたい話だ。
今日日ハセガワのF-16を作る人がどれだけいるかは分からないが、もし機会があればこの記事の事を思い出していただければ幸いである。
もう寝る。
240206追記
エスコン7持ってるならハンガーでXボタン押してF-16を舐めまわすように見るとどえらく勉強になります。あれは立体資料としてスゴイ。
ACE7のC型はCCIP仕様(大まかに言うとコクピット前のAIFFアンテナとテールブームが延長されてるのが特徴)なのでそこを差し引いて考える必要はありますが。
機体下面を舐めまわせないのが弱点ですが、それ以外はリベットラインどころかパネルの汚れによる艶の違いまで再現していて実機に次ぐ一級の立体資料と言っても差し支えないと思っています。
だから下面とか飛行姿勢とかも眺められるようになりませんかね?今からでもいいのでDLCとかでも全然いいので。
ジャッキアップされたのでいいから下も見せてくれ本当に。
(おしまい)
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