すなばこ

気になるものは何でもかんでも

マスキングのテスト

マスキングには謎が多い。

やれはみ出しただの下地が持っていかれただの、事故が多く起こるが、

その対策に関してはあまり統一した見解が聞かれない。

 

自分の作業分だけでも確定させてみようと、実験を行う事とする。

対象は「はみ出し」のほうについて。

 

マスキング塗装テスト

1.前書き

 エアブラシ塗装におけるマスキング手法について理解が薄く、特にマスキング時のはみ出し対策について確固たる方法論を得られていない。よってマスキングのはみ出し対策について検証を行う。
方法としてサーフェーサ→白色で作った下地にマスキングにて上塗りとして赤色を吹き付け、塗り分け境界の状態を評価する。

比較のため、プラ板の表面・裏面の両方に対して作業を行う。
なお、プラ板の裏表について、艶消し面である側を表面として扱う。

 

2.テスト内容

  •  以下の5パターンの手法についてプラ板の表裏両面に対して作業を行う。
    #1:マスキングテープによるマスキングのみ
    #2:マスキングテープ+下地色吹き付け
    #3:マスキングテープ+溶剤吹き付け
    #4:マスキングテープ+クリア吹き付け
    #5:ステンシルのみ

 

  • その他条件は以下の通りとする
    プラ板:セリア販売品
    サーフェーサ:GS-03 サーフェイサーEVOブラック(ガイアノーツGS-03)
    下地色(ホワイト):GX1 クールホワイト(GSIクレオス)
    テスト色(レッド):C3 レッド(GSIクレオス)
    テスト用溶剤:T-07h モデレイト溶剤(ガイアノーツ)
    テスト色(クリア):C46 クリアー(透明)(GSIクレオス)

3.テスト結果

 テスト結果を以下に示す。

図1.プラ板表面に対するテスト結果

図2.プラ板裏面に対するテスト結果

 

全体として#3マスキング+溶剤および#5ステンシル以外に大きな差異は認められない結果となった。また、プラ板の表裏の違いに対しても差異はなかった。


#3マスキング+溶剤の場合は図2に見られるように下地色を溶かしてしまうことがある(図2#3の円左側)、さらに作業時の溶剤の液垂れがひどく、作業性に致命的な問題があるといえる。#5ステンシルに関しては、エッジの無いボンヤリした円を描き、型紙の浮きが大きい部分の境界はボケ足が広くなった。これは小スケールの塗装には適したものではないといえる。

#1、#2、#4については、#1マスキングのみの場合がレッド面の塗膜厚みが薄く、#4マスキング+クリアは発色が若干暗くなるという結果が得られた。

#2マスキング+下地色は若干厚みがあるもののデカールと同程度であり、技術向上により上塗りの厚みが薄くできればより綺麗な仕上がりを期待できる。

 

4.結論

 適切な作業を行なえるならばなら#1マスキング単体で問題なく、もしものはみ出し事故を防ぐなら#2マスキング+下地色が適当と考えられる。

上塗りが暗くなることを許容できるのであれば#4マスキング+クリアは色の切り替えや迷彩の境界面といった複数の色の間を跨ぐマスキング領域に対しても有用であるといえる。

一方、#3マスキング+溶剤は作業性が悪く、#5ステンシルは小スケールの模型に対しての使用はボケ足の許容度合いにかかっているといえる。

最も確実性が高い#2マスキング+下地色の選択に備えて、下地色のストックは完成後にも余るほど用意しておくのが適切だろう。それはその他の修正作業にも使用できるのであって損は無い。特に、下地色が朝食したものなら尚更と言える。

 

5.今後の検証について

 #4マスキング+クリアは今回の検証では振るわない結果となったが、ほかの塗装パターンでは可能性を感じさせる結果ではあった。

例えば上塗りの色が暗色であった場合や、クリアの代わりにピンクなど上塗りの発色を助ける色を薄く重ねてから塗った場合や、銀色などの下地透けを防ぐ色などを挟む場合などの検証が別に必要ではないかと考えられる。

(テスト結果内容ここまで)

 

大雑把な検証であったが、疑問は多少晴れたのでヨシとする。

でもこういう実験って前準備割と大変なので何度もやるのは考え物である。

もう少し実験のスケールを下げて片手間時間でできるようになればいいかなとは思いつつもそんな上手い話は無いだろうという気持ちも半分。

悩ましいなあ。

 

ちなみに、「下地が持っていかれる」に関してはTwitterで素晴らしい解決法が記されていた。是非ともものにしたいところである。

 

(おしまい)

※ついった投稿分(今回の記事の簡易版)