この度めでたくアオシマからR35 NISSAN GT-R nisumoがなんと1/24楽プラというフォーマットで発売された。
遅まきながら素組みしてみたのでちょっと所感を書いてみる。
1/32中心だった楽プラから派生展開した1/24楽プラシリーズの第2弾。
あくまで雰囲気重視の簡易的なものだった1/32と異なりスナップフィットの手軽さと1/24の精密さをなるべく両立させようとした意欲作で、普通のカーモデルでは見られない色とりどりのランナーが出迎えてくれる。
内容品の細かい所についてはホビーサーチなり何なりで確認してみるといいと思っているので割愛。
あくまでコレクションモデルとして色分けはシールに大半を依存するよう割り切られていた1/32系列とは異なり、可能な限りの分割と色プラによる再現を併用するようになっている、従来は省略されていたブレーキ関連やステアリングが再現れている。
また、楽プラ経験者にはびっくりするのだが、シールだけじゃなくデカールもついてくるのだ。決して従前のスケールモデルのスタイルを好む層も見捨てない姿勢はとても喜ばしく思う。
1/24である以上、並べられるのはこれまでのカーモデルの主力帯であるし、コレクションとしての出来栄えに差が出ないよう作り込めるのはとても嬉しい。
しかもそれがこれまでキット化されてなかったNisumo仕様であるなら尚更というものである。
素組の状態でもデティールが過不足なく再現され、これだけでも結構いけるんじゃないかと錯覚してしまうくらいである。特徴的なスカート類中心に走る赤いラインもシール、デカールともに再現されており、これだけでぐっと楽になるってなものである。
シールの段階ですらブレーキキャリパーのロゴまでちゃんと付属しているのだから驚きである。慣れない人が貼るのは大変だけど、横から見たときの足回りのワンポイントになるのでこれまた嬉しい配慮である。
思い切った黄色成型のブレーキ部品もそうだが、部品の分割や固定が結構よく考えられている感じで、難しいスナップフィット化をよくここまで練ったという感じである。すごい!
そしてこれは地味なところだが、楽プラである以上ウィンドウ類の黒フチはシール再現であるが、これが結構いい感じである。
しかも黒フチ部分のシールのみは他の紙シールと別素材のナイロンシールで、薄くて適度な粘着で貼り直しがしやすいものが使われており、破れにくいので貼り直しも比較的簡単である。
シールの厚みを感じさせないようにだったり、ツヤ感をガラス面と不自然なく隣合えるようにという配慮がかんじられてとってもベネである。
余った面をそのままマスキングに転用できるかはやってみないと分からないところではあるが、大幅に楽になることは間違いないし、そう言う事がわかる層には二重にありがたいものである。
さて、塗装派にはR35 GT-R Nisumoは結構に差し色が多く塗装が大変そうに思われるところである。車体の所々にある銀色の差し色部分とか辛い。
しかしこれらも細かいところの大半に対してデカールが容易されており、困難なマスキングの大半を省略でき、気を揉む必要がかなり減る塗装派にもやさしい設計になっている。
そりゃあスカートとかタイヤのラインデカールは難易度が高いが、そこは実車がそうなので避けられない問題である。塗装でやる方が骨だから……
MFゴーストに出演していたことで人気も上がっていたし、9号車(相葉)のキット化も発表されたので当面の憂いがないくらいである。
とはいえ手放しで100点満点というキットではないことも確か。
いくらかは辛い部分がある。特に目についたのはサイドスカートのダボの勘合と、サイドウィンドウのクリア部品の品質である。
まずサイドスカートの勘合は固すぎて嵌らない。これが個体差ならいいのだが、取付位置的に細く脆くて力をかけられないので勘弁してほしいところであるし、片側ならまだしも両側ともってのはいただけない。頼むから個体差であってくれ本当に!
スケールモデルである以上仕方ないが、初心者には組み立て辛いんじゃないかという部分も散見されるし、それは避けて通れない部分でもある。それなら避けれる勘合の難は避けたいよねという心。
サイドウィンドウは波打っていて、向こう側が結構歪んで見える。気にしない人はしないし、初心者なら120%気にしないだろう。でも個人的には結構気になる。
磨き直しというのも結構な重労働だし、これはあんまり個体差期待できないので頑張ってほしかったところ。
あとは強いて言うならシールの細かさやフロントスカートのダクトの中の赤い部分の処理とかあるが、スケールモデルであることを考えるとあまり言うのも憚られるところ。
とにかくあのR35 GT-R Nisumoが簡単に格好良く手に入るという爆裂キットである。
余程影響があったのかよく行く店からはどこも、割とすぐに無くなったのでいつでも買える入門キットであるかは今後の動向を見守る必要があるが。
発売アナウンスから構えて発売直後に様子見も何も無く即座に買ったことを完璧に正解と思えるいいキットである。
普段から買っているキットからそれとなくアオシマの進化ぶりを感じていたが、ここまで強烈なのは初めてである。
1/24楽プラシリーズが今後どのように展開していくかはわからないが、とても期待が持てることは間違いない。
次が楽しみだ。何が出てくるんだろうと久々にワクワクした気持ちになる。
(おしまい)