すなばこ

気になるものは何でもかんでも

現地改修チャーチル(Churchill NA75)の覚書

「口頭で言ってもらえればいいからね」はすっとぼけるための前準備(言い訳)

みんなしってるね?(濁ったガラスの眼で仄かに暖かいお茶をサーブする音)

 

 

 

 さてなぜかみんなしらない(知名度が低い)Churchill NA75の覚書です。

書籍資料をまだ漁ってないのでさらっとサイトをめぐって真偽不明のまま編集。

現地改修で主砲を積み替えて活躍という聞こえの良さにも関わらずほぼネタにされない悲しい子だよ!3インチ仕様のM4ジャンボ君が仲間を見る目をしているよ!

 

 

 アフリカはチュニジア戦線では一つの重大な問題が発生していました。

チャーチル(Churchill Mk.IV)の6ポンド砲は榴弾が撃てないのです。

これは英国のドクトリンの問題で戦車は戦車専門で戦えというものでしたが、当然現地ではそんなわけにいかず悩んでいました。歩兵の支援ができません。*1

一方アメリカから借りてるシャーマン(M4)は榴弾を撃てました。しかも砲の口径もより大きいので徹甲弾も強いです。防御力はチャーチル程ではありませんでした。

 

 

 そしてイギリス人なので思いつきます。容積的に大丈夫そうだしチャーチルにシャーマンの砲(75mm砲M3)を移植できないか、と。P・H・Morrell大尉なる将校(エンジニアらしいので技術将校かも)が上司に提案します。破損したシャーマンの主砲をチャーチルに装着しないか、と。上司は「貴重な戦車で失敗したら君どうすんの?」と聞き、Morrell大尉は「首をかけます」と返したそうです。

 

かくして移植作業が行われます。M4から防盾ごと切り出した砲のASSYを加工したチャーチル砲塔に嵌め込む、という実にらしい方法がとられました。


元の固定ボルトは潔く無視されています。が、ひとつ問題がありました。英軍と米軍では砲手と装填手の配置が左右逆なのです。しかしそこはイギリス人。尾栓の切り欠き位置が逆になるよう砲を左右反転(180°回転)して装着して事無きを得ました。ついでに砲手用のペリスコープも追加されました(たぶんこれもM4から剥いできたやつ)。

 

 

 

 



テストの結果M4より重量もサイズも大きいチャーチルでは砲の安定性も増して良好な結果を得られ、そして現場の運用でも(当然)好評を受けました。結果として100~200両ほどが同様の改修を受けたようです。そしてイタリアへも転戦して活躍したそうです。

 

実は改修時期にはすでに75mm榴弾に対応したChurchill Mk.VIおよびMk.VIIは配備が始まっていましたが、しかし現地ですぐできるメリットやHEが使える車両が増えるメリットは非常に大きいと言えます。

 

ちらっと調べた程度では書籍も個人サイトも引っかからなかったので何が悪いのやら。

とりあえずWikiやらついったの怪しげな記述を覚書として一纏めにしました。

資料の調べ方一からやり直さないと駄目ねこれは……

 

230412追記

資料元サルベージできたぶんだけ

 

*1:戦車以外にも敵歩兵や火点を榴弾で掃除する大事な仕事があります。